タイの青春映画と日本の青春映画を考察してみる

タイ映画業界では大ヒットを記録

愛しのゴーストについて

タイ映画の中にも純粋なラブストーリーは人気を呼びやすい、どこの国でもそうですが純愛に勝てるものは早々無い。それこそ永遠を誓い合った二人がたとえどんな姿になったとしても、愛している事実に変わりないとして揺るぎない愛情を傾倒する、といった内容はよく見られる。アクション映画などが一時期隆盛を築いていたタイの映画業界となっていますが、近年発表された作品の中でこれほど純粋な愛を唱えるストーリーで感動を読んだことはない、などと評価が及んでいて大ヒットを記録した作品がある。

それは『愛しのゴースト』と呼ばれるもので、こんなことを言ってしまうとあれかもしれないが『ニューヨークの恋人』のような内容になっている。1つ違うのは、幽霊だとしても構わないとして主人公が恋人への愛情を忘れること無く愛し続ける一途な姿がとても印象的だ。こんなシチュエーションに憧れると思っている人もいるかもしれませんが、タイの人々もロマンチックな展開に期待したいと思っている人は多いのかもしれませんね。

この作品、主演には先ほど話したミウの歌にて主演の一人として出演している『マリオ・マウリー』が作品を盛り上げている。一途な純愛を見せる作品とかと思いきや、そこはタイ映画ならではの特色といったところか、主演とヒロインを取り巻く人々によってラブストーリーのような展開とともに、どこかコメディチックな展開となるのだった。

作品概要

あらすじ

主人公であるマークは内戦によって徴兵され、地獄のような戦場から帰還することに成功し、妻のナークの元へと帰り着く。故郷への道中にはマークがとっさの機転で救った同胞であるドゥー・エー・プアック・シンの4人も引き連れて帰郷した。出迎えたナークと抱擁を交わしマークは幸せに浸り、4人は恩人マークが提供した向かいの空き家にて生活を始まる。浮世離れしたナークの美しさに虜になる4人だったが、何故か村人たちはナークを見るだけで恐れ戦く姿があった。そうした中で4人は奇妙な噂を耳にする、それはナークがすでにこの世に存在しないということだ。

つまり、ナークはすでに死んでいるということ、それを知った4人は逃げ出そうとすると恩人であるマークを置いてはいけないとして必死に引き離そうとする。しかしマークは彼らの言葉に耳を貸さず、良からぬことばかりが展開していく中で、4人はまた1つ奇妙な事実を目撃する。錯綜する自体の中で何が真実で、何が間違っているのか分からないまま4人は翻弄されていく。だがその中でもマークは変わらぬ愛情を与えてくるため、ナークとしても言い出せずにいた事実を告げられなくなってしまう。そして結末に迎えるのは、誰もが予想だにしなかった展開となっている。

良い味を出している

あらすじとしてはこんな感じだ。詳しいネタバレについては出さないようにしたが、ちょっとばかり興味深いところだ。何より主人公とヒロインを取り巻く4人が良い味を出している、この4人により恐怖とコメディタッチ、そしてシリアス加減が絶妙な緩急を表現しているため見ていて飽きの来ない表現が味を出している。全体的な演技も見どころはあるのですが、個人的には主演の髪型が一昔前に流行った『ベッ○○ヘア』みたいになっているのがものすごく気になる。プアックもパイナップル頭をしているなど、個性というよりアクが強すぎてシリアスで少しホラーな部分も垣間見える同作品において、良い意味でアンバランスさが引き合いに出ている。

良い点といえば良い点だが、名シーンとなる場面だと思わず笑ってしまったので、シュール過ぎるのも大概にするべきだと心内で思ってしまった。

アナ雪を抑えて

こちらの作品は大ヒットと言われていますが、どのくらい凄いのかというと当時話題騒然となり日本でもメガヒットを繰り出した『アナと雪の女王』よりもこちらの作品がタイ国内で一番の話題を集めたというのです。世界中でブームをまき散らし、それはもちろんタイとしても例外ではありませんが、国内制作の幽霊ラブストーリーが歴代興行収入で1位を獲得している。タイの人々はエルサやアナが謳っている姿よりも、マークとナークの2人が幸せになるのかどうかの方が気になっていたようだ。

ただこちらの作品はタイのとある怪談をベースとして制作されたもので、元々は純愛がテーマではなかったのです。内容は戦場へ赴いた夫の帰りを待つ女性が非業の死を遂げてしまい、その未練から悪霊と化しておぞましい災いをもたらすというのです。実際、その怪談も作品として公開され、アジアンホラーの中では歴代として見ても生粋の怖さを誇るとして評価されている。その内容を大胆にリメイクし、純愛作品としたのがこちらの愛しのゴーストとなっている。

ネタバレはしないのであれだが、ラストが信じられないことになっているのです。気になる方は映像として見ていただきたい。衝撃の結末は、日本人としてみると中々想像できない展開となっています。